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zoom RSS 社会のエゴ (産経新聞 論説記事より)

<<   作成日時 : 2008/06/17 08:15   >>

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私は学習院大学法学部政治学科の出身です。
当時、香山健一という社会工学の教授がいて、そこのゼミに所属して国際政治を学んでいました。

大平内閣のブレインをしていたり、政界にも顔の広い先生で、いつも臨場感あふれる政治の議論がなされて、先生のお人柄と頭の良さにはいつも脱帽していたものです。

彼は当時産経新聞に論説を書いていたのですが、いまや故人となり、35年たった今また産経新聞に同じ記事が掲載されたということです。
読んでみたら、なんと私が今感じていることと同じ内容が掲載されていましたので、皆さんにもシェアしたいと思います。

いつの時代も課題は「エゴ」なのです。

画像


----引用----

〜産経新聞『昭和正論座』の要約をしたツカサネット新聞より〜

その文章は、高速道路上の怒鳴り合いの光景から始まる。

渋滞している高速道路上で、一台のスポーツカーの窓から数人の学生風の長髪の若者が、周囲の車の群れに向かってわめいた。

「畜生!馬鹿めらがみんな車をもちやがって!」「大体車が多過ぎるんだ!」

ダンプカーの運転台から、若い労働者が日焼けした顔を出すと、長髪の学生たちをにらみ返しながら、

「うるさい!おまえらみたいな親のすねかじりが車に乗るから混むんだよ!」

と怒鳴り返した。

学生風の若者たちは、渋滞している他人の車の群れを窓から見ながら、この余計な車の邪魔さえなければ、道路は空いていたはずなのにと思っていたに相違ない。彼らは渋滞の責任はすべて他人の車にあると軽率に信じ込んでおり、自分たちの車もまた渋滞に一役を買っているということなど完全に忘れてしまっていたのである。彼らもまた大勢の「馬鹿めら」の群れの中の一人なのだということを彼らは自覚していなかった。

悲しいことに、車のフロントガラスからは、「外」を見ることはできても、「内」を見ること、自分自身を見ることはできない。人間の目は他人を見ることはできても、鏡にでも写さない限り、自分自身の目を見ることはできない。こうして自己不在の社会観が形成され、一切の責任を他者に転嫁する無責任で、エゴイスティックな社会風潮が醸成される。

物価、インフレ、環境、福祉、教育などおよそすべての現代の社会問題において、人々は自分が被害者であると同時に加害者であることをしばしば忘れているのである。

たとえば、企業が値上げする際に、決まって用いられる弁明は、「諸物価の値上げにより」というものである。そして、それは確かにその通りなのである。この場合、「諸物価」とは一体なにか。それは他企業、他組織、要するに、他人の責任で上がった物価ということなのである。

だが、先程の車の場合と同じように、他企業、他組織から見れば、当の企業や組織による値上げもまた「諸物価」のなかに当然含まれる。人々は誰もが大幅賃上げを要求しながら、物価上昇に反対している。だが、大多数の人間は、生産性の上昇を上回る自分の賃上げが、社会の回路を回りまわって物価の上昇という形で再び自分に戻ってきていることを理解してはいない。


第一に、現代社会の諸問題は、いずれも個人エゴ、集団エゴ、企業エゴ、地域エゴの野放し状態と、その衝突によって惹起されている。その結果、各個人と諸組織はすべて加害者であると同時に被害者になり、被害者であると同時に加害者となっている。そして、この被害と加害との関係は複雑な社会的メカニズムによって密接不可分に結びつき、悪循環しているのである。従ってこのエゴの自制を行う方策を講ずることなしに事態を解決することは不可能である。

第二に、現代社会の諸問題は、いずれも戦後の資源多消費型の繁栄の産物である。それゆえ、量から質へ、物質的から精神的へ、フローからストックへ豊かさの質を根本的に転換していかない限り、インフレその他の問題を真に解決していくことは難しい。

第三に、現代のインフレーションは、極めて情報的な性質を強く帯びており、情報インフレーションと呼ぶことのできるものである。現在のインフレーション明らかに政治とマスコミによる無責任な情報供給と、政策的対応の遅れ、首尾一貫性の欠如に起因するところ大である。

与野党は、ともに低次元の政党エゴのレベルで、いたずらに無責任な空手形を国民に発行したり、駆け引きや野合に明け暮れているのではなく、国民に我慢と自制を呼びかけるべき点は、それが多少国民の耳に痛いことであっても、はっきりとものを言い、政治にできることとできないこととを明示すべきであろう。実質の伴わない空手形を政治が発行し続ける限り、実質から遊離した誇大な約束と、誇張された非難の応酬を与野党が繰り返している限り、つまり、政治とマスコミが情報インフレ症状を呈している限り、経済的インフレを解決することは不可能なことを自戒すべきである。


以上が、香山健一氏の文章の主たる部分である。

http://www.222.co.jp/netnews/article.aspx?asn=18704
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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
私もこの記事を読み感銘を受けました。
うろうろしていたら、偶然見つけました。
じつは私も香山先生に、薫陶を受けたもので、いま、先生の未来学をを継承しようと、プロジェクトに取り組んでいます。
私達は、文明を進展させていく過程で、誰もが暮らしの中で持っていたはずの知恵、絆、美といった暗黙知を見失ってしまったようです。そそのようなカタチがのこっている「ふるさと」にまざなざしをあて、それを未来に継承しようとしています。
http://www.n-chiken.com/shinkan.htm
興味があったら、参照下さい。
ジャパン・コンテンツ
2008/06/19 21:15

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